珈琲豆屋に足を運ぶと、「グアテマラ SHB」や「コロンビア スプレモ」などの表記を目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
この「SHB」や「スプレモ」ってなに?と疑問に思ったことはございませんか。
実は、コーヒー生豆は各生産国ごとに独自のグレード基準が設けられており、各国ごとにグレード分けが行われています。
「SHB」や「スプレモ」というのは、このグレードの表記のことです。(グレードではなく「等級」と呼ばれることもあります。)
今回は、各生産国ごとのグレード分けに主に用いられている4つの判断基準を解説していきます!
コーヒー豆のグレード基準
各生産国にて、コーヒー生豆の精製処理がされてから出荷されるまでの間に、生豆のグレード分けが行われます。
主に用いられるグレード分けの基準は、「標高」「スクリーンサイズ」「欠点数」「カップテスト」の4つです。
この4つのグレード基準の中のどれか1つ、あるいは複数の基準を用いてグレード分けが行われています。
例えば、グアテマラは「標高」で、コロンビアは「スクリーンサイズ」、ベトナムは「スクリーンサイズ」と「欠点数」でグレード分けされます!
また、グレード分けの方法が同じ場合でも、生産国ごとにその基準は異なります。
例えば、「グアテマラ」と「ホンジュラス」はどちらも「標高」を用いたグレード分けが行われますが、最高グレードの標高やグレード表記は以下のように異なります。
グレード表記 | 標高 | |
---|---|---|
グアテマラ | SHB (ストリクトリー・ハイ・ビーン) | 1,300m以上 |
ホンジュラス | SHG (ストリクトリー・ハイ・グロウン) | 1,200m以上 |
各国ごとのグレード基準については、以下の記事でまとめてありますので、興味がある方はご参照ください!
グレード表記についての注意点
念の為、補足をしておくと、必ずしも「グレードが高い=美味しい」ではございません…。
コーヒーは嗜好品であるが故に、人によって好みはかなり異なります。
そのため、自分にとっては美味しくても他の人にとってはイマイチということも少なくありません。
ここで紹介しているグレード基準についても、「グレードが低いものよりも高いものの方が、品質が良い、風味が良い、香味が良い」ということで、「グレードが高いから絶対に美味しい」というわけではないということを承知いただければと思います!
また、販売業者によっては、稀に「SHG」などの最高グレードの表記が付いていても、品質がそれに見合っていない場合もあると聞いたことがあります…。
そのため、購入する際にはグレードのみを絶対の判断基準にはしないように多少注意しておくと良いかもしれません!
スクリーンサイズ
1つ目のグレード分けの基準は「スクリーンサイズ」です。
スクリーンサイズとは、生豆の大きさのことを指します。
完熟した実の方が種子が大きくなるため、生豆の1粒の大きさが大きければ大きいほど、優れたコーヒー豆ということになります!
豆の大きさだけで品質が決まるというのは、とってもわかりやすいですね!
スクリーンサイズの単位は「S」で表記されます。
「S1が64分の1インチ」です。
1インチが2.54cmなので、S1は約0.397mm(0.0397cm)になります。
例えば、S18は「0.397mm×18=7.146mm」ということになります!
ちなみに、スクリーンというのは生豆の大きさを選別する際に用いられる「ふるい」のことです。
該当スクリーンサイズの目の「ふるい」にかけて、落ちなかったものがそのグレード基準に満たしている豆ということになります!
- コロンビア
- タンザニア
- ケニア
標高
2つ目のグレード分けの基準は「標高」です。
標高が高いところで栽培されたものほど、優れたコーヒー豆ということになります。
こちらもスクリーンサイズと同様、とてもわかりやすいですね!
標高が高いところで栽培された方が、昼夜の寒暖差がはっきりしており実がゆっくり熟すため、味や香りが良く品質の高いコーヒーになります!
- グアテマラ
- ホンジュラス
- エルサルバドル
欠点数
3つ目のグレード分けの基準は「欠点数」です。
欠点数とは、生豆全体のうち「異物」「欠点豆」等がどれだけ混入しているかを数値化したものです。
欠点数の数値に関しては、混入数だけでなく、混入物の種類や大きさによっても点数が変わってきます。
欠点豆が混ざっている場合、渋味やエグ味、後味が悪くなったり等の原因になります。
そのため、欠点数が少ないほどグレードは高くなります!
例えばエチオピアの場合、300g中いくつ欠点豆や異物が混入しているかによりグレードが異なってきます。
- エチオピア
- ペルー
- ブラジル
カップテスト
4つ目のグレード分けの基準は「カップテスト」です。
生豆を焙煎して、挽いて、お湯で抽出してカップ(コーヒー液)にした時の香りと味でグレード分けをします。
すなわち、カッピングを行い香味を判定するということです。
異臭や刺激臭、苦味、エグ味、刺激的な味だったりするとマイナスになります。
カッピング(カップテスト)に関しては、我々焙煎士やバリスタの方々なども、豆の香りや味をチェックするために行います。
カッピングは、コーヒー豆がそれぞれ持つ香味を確認するために行う行為となります。
難しい手順はなく、カッピングを行うだけであれば比較的簡単に行うことができますので、興味ある方は是非行ってみると面白いかもしれません!
- ブラジル
最後に
個人的見解ですが、それぞれのグレード基準について、実際にグレードが高い豆の方がやはり香味は良いと思います!
今回は各グレード基準についての解説だったので、ぜひ国ごとのグレード分けについても以下の記事でご覧いただければと思います!