色々な国で生産されているコーヒー豆ですが、当然品質が高いものもあれば低いものもあります。
そのような品質の良し悪しの評価について、生産国ごとに独自の評価基準でグレード分け(等級分け)が行われています!
珈琲豆屋に足を運んだ際に「グアテマラ SHB」や「ハワイコナ ファンシー」などの表記を目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
この「SHB」や「ファンシー」などの表記が、生産国ごとにコーヒー生豆を評価してグレード分けしたものです。
今回は、このコーヒー生豆のグレード分けを行うための「基準」と「グレード表記」について、国ごとに解説していきます。
また、気になる国がありましたら、目次からジャンプもできますので是非ご覧ください!
以下の記事にて、主に採用されているグレード分けの基準内容について記載しておりますので、こちらも参照していただけると幸いです!
スクリーンサイズ
スクリーンサイズとは、生豆の大きさによってグレード分けをすることです。
生豆が大きければ大きいほど、実が完熟しているため、優れたコーヒー豆として評価されます!
ちなみに、コロンビアなどは、グレード分けをする前の生産段階でかなり厳しい品質管理の基準が設けられていることから、グレード分けをするときは生豆の大きさだけをチェックして品質を評価するとか…。
徹底した品質管理のおかげで、グレード評価するときに豆の大きさだけ注目すれば良いというのは、なんとも効率が良いですね!
また、スクリーンサイズの単位は「S」で表記されて、S1が64分の1インチです。(ブラジル式を基準にした「ふるい」で世界基準です。)
「1インチ=2.54cm」なので、「S1≒0.397mm」です。
コロンビア
グレード表記 | 通称 | スクリーンサイズ |
---|---|---|
Excelso Premium (エクセルソ プレミアム) | 「エクセルソ プレミアム」 「プレミアム スプレモ」 | S18(約7.15mm) |
Excelso Supremo (エクセルソ スプレモ) | 「コロンビア スプレモ」 | S17(約6.75mm) |
Excelso Extra (エクセルソ エクストラ) | 「コロンビア エクセルソ」 | S16(約6.35mm) |
Excelso Maragogipe (エクセルソ マラゴジッペ) | 「コロンビア マラゴジッペ」 | S17(約6.75mm) |
Excelso Caracol (エクセルソ カラコル) | 「コロンビア ピーベリー」 「コロンビア カラコル」 | S12(約4.76mm) |
Excelso Europa (エクセルソ ヨーロッパ) | 「ヨーロッパ」 「エクセルソ ヨーロッパ」 | S15(約5.96mm) |
Excelso UGQ (エクセルソ UGQ) | 「UGQ」 「エクセルソ UGQ」 | 全体の50%がS15(約5.96mm) 残りはS14(約5.56mm) |
コロンビアは7段階評価でグレード分けが行われてます。
コロンビアでは、スクリーンサイズが16以上とカラコルと呼ばれるピーベリーのみがスペシャルティコーヒーと分類されて、貴重なコーヒーとして取引がされています。
また、「UGQ」「ヨーロッパ」は最も多く輸出されているグレードの豆で、スクリーンサイズがS13(約5.16mm)以下の豆は国内消費されているとのことです。
街にある珈琲豆屋で頻繁に見かけるのは、「コロンビア スプレモ」と「コロンビア エクセルソ」の2つですね!
※スクリーンサイズのmm単位表示は、小数点第三位を四捨五入しています。
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
※通称は、私の経験則のため、異なる呼び名があるかもしれません。
コロンビアには、「コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)」というコロンビアコーヒーの品質管理等を徹底して行なっている組織があり、コロンビアの生産農園の大半はFNCに加盟しております。
なんと、このFNCが日本語版のWebサイトを公開しているんです!!
FNCが公式で掲載しているコロンビアコーヒーの等級(グレード)のページもありますので、興味がある方はこちらも併せて参照してみてください!
(ちなみに、当記事も参照させていただいています… 。ありがとうございます…!)
ケニア
グレード表記 | スクリーンサイズ・形状 |
---|---|
AA | 7.2mm以上 S18(約7.15mm)以上 |
A | 約6.8mm S17(約6.75mm) |
B | 約6.2mm S16(約6.35mm) |
AB | AとBの混合 S15(約5.96mm)〜S17(約6.75mm) |
C | Bより小さい豆 |
E | 非常に大きい豆、最大(エレファント)の豆 AAよりも著しく大きい豆 |
TT | Cよりも小さい豆、E(エレファントサイズ)の欠けら 他のグレードから吹き飛ばされた軽量豆 |
T | 微細豆、未熟豆、欠点豆など |
PB | ピーベリー |
ケニアは9段階評価でグレード分けが行われてます。
様々な資料や教本、参考書などを参照しておりますが、ケニアのスクリーンサイズについては記載してある内容がマチマチなので、「mm単位での表示」と「スクリーンサイズでの表示」のどちらも記載してあります!
基本は「mm単位」でのサイズを参照するのが良いかと思います!
また、ケニアはスクリーンサイズでのグレード分けだけではなく、「PB」「TT」「T」の豆の形状も含めてグレード分けが行われます。
※スクリーンサイズのmm単位表示は、小数点第三位を四捨五入しています。
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。(「AA」〜「E」までがスクリーンサイズでのグレード分けです)
タンザニア(アラビカ種)
グレード表記 | スクリーンサイズ |
---|---|
AA | 7.2mm以上 S18(約7.15mm)以上 |
A | 約6.8mm S17(約6.75mm) |
B | 約6.2mm S16(約6.35mm) |
AB | AとBの混合 S15(約5.96mm)〜S17(約6.75mm) |
C | Bより小さい豆 |
E | 非常に大きい豆、最大(エレファント)の豆 AAよりも著しく大きい豆 |
PB | ピーベリー |
タンザニアは7段階評価でグレード分けが行われてます。
タンザニアのグレード分けはケニアとほぼ同様です!
強いて違いを挙げるのであれば、各グレードがスクリーンサイズだけで決まるのではなく、欠点豆がどれも少ない(あるいは全くない)場合に各グレードが決定されます。
※スクリーンサイズのmm単位表示は、小数点第三位を四捨五入しています。
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
標高
標高とは、生産地の標高の高さによってグレード分けが行われます。
標高が高ければ高いほど、優れたコーヒー豆として評価されます!
コーヒー豆の栽培では、昼夜の寒暖差がはっきりしているほど実がゆっくり熟すため、味や香りが良く品質の高いコーヒーになります。
標高が高いほど、この寒暖差はよりはっきりとしてくるため、標高が高い方がコーヒー豆として優れているということになります。
標高に関する数値に関しては、色々なコーヒーの情報や教本、参考書によりマチマチなので、概数として捉えておくと良いと思います!
国ごとにグレードの表記が微妙に異なり、最高グレードも「SHB」「SHG」とそれぞれの表記があって、覚えづらいですね…。
3文字で初めに「S(Strictly ストリクトリー)」が付くものは、最高グレードと認識しておくと、珈琲豆を購入する時にも参考になるね!
グアテマラ
グレード表記 | 標高 |
---|---|
SHB(Strictly Hard Bean) (ストリクトリー・ハード・ビーン) | 1,350m以上 |
HB(Hard Bean) (ハード・ビーン) | 1,200〜1,349m |
SH(Semi Hard Bean) (セミ・ハード・ビーン) | 1,050〜1,199m |
EPW(Extra Prime Washed) (エクストラ・プライム・ウォッシュド) | 900〜1,049m |
PW(Prime Washed) (プライム・ウォッシュド) | 750〜899m |
EGW(Extra Good Washed) (エクストラ・グッド・ウォッシュド) | 600〜749m |
GW(Good Washed) (グッド・ウォッシュド) | 599m以下 |
グアテマラは他の標高でグレード分けされている国よりも基準が細かく設定されており、7段階評価です。
輸出しているコーヒー豆のグレードは、PW(プライム・ウォッシュド)以上で、750m以上のグレードです。
珈琲豆屋に行くと「グアテマラ SHB」は、比較的よく見かけますね!
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
ホンジュラス
グレード表記 | 標高 |
---|---|
SHG(Strictly High Grown) (ストリクトリー・ハイ・グロウン) | 1,200m以上 |
HG(High Grown) (ハイ・グロウン) | 900〜1,199m |
CS(Central Standard) (セントラル・スタンダード) | 600〜899m |
ホンジュラスは3段階評価でグレード分けが行われています。
下に記述している「エルサルバドル」と同様の評価基準です。
ホンジュラスとエルサルバドルは隣国のため、同じグレード分けなのかもしれません!
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
エルサルバドル
グレード表記 | 標高 |
---|---|
SHG(Strictly High Grown) (ストリクトリー・ハイ・グロウン) | 1,200m以上 |
HG(High Grown) (ハイ・グロウン) | 900〜1,199m |
CS(Central Standard) (セントラル・スタンダード) | 600〜899m |
エルサルバドルは3段階評価でグレード分けが行われています。
前述している通り、グレード表記も標高の基準もホンジュラスと同様です!
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
メキシコ
グレード表記 | 標高 |
---|---|
SHG(Strictly High Grown) (ストリクトリー・ハイ・グロウン) | 1,700m以上 |
HG(High Grown) (ハイ・グロウン) | 1,000〜1,699m |
PW(Prime Washed) (プライム・ウォッシュド) | 700〜999m |
グレード表記 | 標高 |
---|---|
AL(ALTURA) (アルトゥーラ) | 1,300m以上 |
PL(PRIMA LAVADO) (プリマラバド) | 900〜1,299m |
BL(BUEN LAVADO) (ブエンラバド) | 750〜899m |
メキシコはなんと2つのグレード分けの評価基準があります。
どちらも標高でのグレード分けですが、2つとも評価となる標高が異なるので注意です!
なぜ2つの評価基準が混在しているのかは分かりません…。
分かり次第更新して記載します!
「SHG」から始まる評価基準は英語でのグレード表記で、「AL」から始まる評価基準はスペイン語でのグレード表記です。
この英語、スペイン語という違いがグレード分けの評価基準が2つある原因を紐解く鍵なのかもしれません…。
スペイン語でのグレード表記を直訳すると、それぞれ以下の意味になります。
- ALTURA:標高
- PRIMA LAVADO:プライム ウォッシュド
- BUEN LAVADO:グッド ウォッシュド
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
コスタリカ
グレード表記(太平洋側) | 標高 |
---|---|
SHB(Strictly Hard Bean) (ストリクトリー・ハード・ビーン) | 1,200〜1,700m |
GHB(Good Hard Bean) (グッド・ハード・ビーン) | 1,000〜1,199m |
HB(Hard Bean) (ハード・ビーン) | 800〜999m |
グレード表記(内陸部側) | 標高 |
---|---|
MHB(Medium Hard Bean) (ミディアム・ハード・ビーン) | 500〜1,000m |
グレード表記(大西洋側) | 標高 |
---|---|
HGA(High Grown Atlantic) (ハイ・グロウン・アトランティク) | 900m以上 |
MGA(Medium Grown Atlantic) (ミディアム・グロウン・アトランティク) | 600〜899m |
LGA(Low Grown Atlantic) (ロウ・グロウン・アトランティク) | 150〜599m |
コスタリカのグレード分けの基準も少し癖があり、太平洋側、大西洋側(カリブ海側)、内陸部(太平洋と大西洋の中間)とコスタリカ国内の場所ごとにそれぞれグレード分けの基準が設けられています。
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
パナマ
グレード表記 | 標高 |
---|---|
SHB(Strictly Hard Bean) (ストリクトリー・ハード・ビーン) | 1,350m |
HB(Hard Bean) (ハード・ビーン) | 1,050〜1,349m |
EPW(Extra Prime Washed) (エクストラ・プライム・ウォッシュド) | 900〜1,049m |
パナマは3段階評価でグレード分けが行われています。
パナマは、ゲイシャでも有名な国です!
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
欠点数
欠点数とは、生豆全体のうち「異物」「欠点豆」等がどれだけ混入しているかを数値化したものです。
異物が入っていれば当然味や品質は悪いと評価されます。
また、欠点豆が混ざっている場合、コーヒーを飲む際に渋味やエグ味、後味が悪くなったり等の原因にもなります。
そのため、異物や欠点豆が少なければ少ないほど、品質の高いコーヒー豆として評価されます!
欠点数の数値に関しては、混入数だけでなく、混入物の種類や大きさによっても点数が変わってきます。
エチオピア
グレード表記 | 欠点数 |
---|---|
G1 | 3点以内 / 300g |
G2 | 4〜12点 / 300g |
G3 | 13〜27点 / 300g |
G4 | 28〜45点 / 300g |
G5 | 46〜90点 / 300g |
エチオピアは8段階評価(G1〜G8)でグレード分けが行われていますが、G6〜G8までは海外に輸出されず、G5以上のグレードの豆が輸出されてきます。
そのため、G6〜G8については割愛させていただきました。
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
インドネシア
グレード表記 | 欠点数 |
---|---|
G1 | 11点以内 / 300g |
G2 | 12〜25点 / 300g |
G3 | 26〜44点 / 300g |
G4 | 45〜80点 / 300g |
G5 | 81〜150点 / 300g |
インドネシアは5段階評価でグレード分けが行われています。
G1の中でも、特に優れているコーヒー豆に対しては「SPG1」という表記がされていることもあります。
SPはスペシャルという意味です。
SPG1という表記がされるものは、基本的にマンデリンのみです!
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
ペルー
グレード表記 | 標高 |
---|---|
G1 | 15点以内 / 300g |
G2 | 16〜23点 / 300g |
G3 | 24〜30点 / 300g |
G4 | 31〜35点 / 300g |
G5 | 36〜40点 / 300g |
MCM(Machine Cleaned Mejorado) | 41〜70点 / 300g |
MC | 71〜100点 / 300g |
ペルーは5段階評価でグレード分けが行われています。
MCMとMCは従来の規格なのですが、この従来の規格で流通することもあります。
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
スクリーンサイズ、欠点数
スクリーンサイズ(生豆の大きさ)と欠点数(異物、欠点豆の混入)の2つをグレード基準として採用している国もあります。
これは、「豆が大きければ大きいほど良い」 かつ 「異物、欠点豆の混入が少ないほど良い」という2つの視点からグレード分けをおこなっています。
ジャマイカのブルーマウンテンやハワイのハワイコナなど、みなさんお聞きしたことがあるコーヒー豆などはこの2つのグレード基準でグレード分けがされています。
ジャマイカ
グレード表記(ブルーマウンテン) | スクリーンサイズ | 欠点数(欠点率) |
---|---|---|
No.1 | S17〜S18 (約6.75mm〜約7.15mm) | 3% / 300g |
No.2 | S16〜S17 (約6.35mm〜約6.75mm) | 3% / 300g |
No.3 | S15〜S16 (約5.96mm〜約6.35mm) | 3% / 300g |
セレクト(トリエイジ) | S15〜S18 (約5.96mm〜約7.15mm) | 5% / 300g |
グレード表記(ブルーマウンテン以外) | グレード基準 |
---|---|
ハイマウンテン | ブルーマウンテン以外の地区で標高1,000〜1,200mの地域で栽培されたもの |
プライムウォッシュド | それ以外の場所で栽培されたもの |
ジャマイカといえば有名な「ブルーマウンテン」ですが、ブルーマウンテンとは「ブルーマウンテン地区の規定された場所」で栽培されたコーヒー豆のことを言います。
反対に、ブルーマウンテン地区以外で栽培されたコーヒー豆のことを「ハイマウンテン」「プライムウォッシュド」というため、グレード表もそれぞれ別に分けています。
ブルーマウンテンに関しては、スクリーンサイズと欠点数のそれぞれを加味して、4段階評価でグレード分けが行われています。
ちなみにブルーマウンテンには、ピーベリーだけを集めたものもあります!
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
ハワイ(ハワイコナ)
グレード表記 | スクリーンサイズ | 欠点数 |
---|---|---|
Extra Fancy (エクストラ・ファンシー) | S19(約7.54mm) | 8点以内 / 300g |
Fancy (ファンシー) | S18(約7.15mm) | 12点以内 / 300g |
No.1 | S16(約6.35mm) | 16点以内 / 300g |
ハワイ(アメリカ)は3段階評価でグレード分けが行われています。
実際には、「Select」「Prime」というグレードもありますが、主に上記グレード3つなのでここでは割愛しました。
また、ブルーマウンテン同様にピーベリーのみを集めたハワイコナのコーヒー豆もありますが、こちらはピーベリーの希少性も加味されてエクストラ・ファンシーと同等のグレードとされています。
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
キューバ共和国
グレード表記 | スクリーンサイズ | 欠点数 |
---|---|---|
クリスタルマウンテン | S18~S19 (約7.15mm〜約7.54mm) | 4点以内 / 300g |
ETL(Extra Turquino Lavado) (エクストラ・トルキーノ・ラバード) | S18(約7.15mm) | 12点以内 / 300g |
TL(Turquino Lavado) (トルキーノ・ラバード) | S17(約6.75mm) | 19点以内 / 300g |
AL(Altura) (アルトゥーラ) | S16(約6.35mm) | 22点以内 / 300g |
モンタナ | S15(約5.96mm) | 24点以内 / 300g |
キューバは5段階評価でグレード分けが行われています。
キューバでは、ブルーマウンテンやハワイコナに負けず劣らず有名な「クリスタルマウンテン」の生産地です!
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
ベトナム
グレード表記 | スクリーンサイズ | 欠点数(欠点率) |
---|---|---|
G1 | S14〜S16 (約5.56mm〜約6.35mm) | 5% / 300g |
G2 | S12〜S14 (約4.76mm〜約6.35mm) | 10% / 300g |
G3 | S10〜S12 (約3.97mm〜約4.76mm) | 20% / 300g |
ベトナムは3段階評価でグレード分けが行われています。
カネフォラ種(ロブスタ)のグレード分けでは、「G1:60点以内 / 300g」「G2:90点以内 / 300g」ともされています。
※表は、上に書かれているものほど上位グレードです。
スクリーンサイズ、欠点数、カップテスト
スクリーンサイズ(生豆の大きさ)と欠点数(異物、欠点豆の混入)、カップテストの3つをグレード基準として採用している国もあります。
カップテストとは、いわゆるカッピングのことです。
生豆を焙煎して、挽いて、お湯で抽出してカップ(コーヒー液)にした時の香りと味で評価をします。
実際に人がコーヒーをカッピングすることにより、香味を評価してグレード分けを行います。
実は、グレード分けにカップテストを採用している国は、ブラジルくらいです!
ブラジル
ブラジルは、他の国と違ってグレード分けをそれぞれ個別におこなっています。
すなわち、「スクリーンサイズ」「欠点豆」「カップテスト」でそれぞれで評価して、それぞれでグレード分けが行われます。
そのため、「ブラジル サントス No.2 スクリーン18 ソフト」といった感じで、表記が長くなることが多いです…。
初見でこの名称だけ見たら、訳がわからないですよね(笑)
それでは、それぞれのグレード表記と基準について、ご説明していきます。
ブラジルの欠点数
グレード表記 | 欠点数 |
---|---|
No.2 | 4点以内 / 300g |
No.3 | 5〜8点 / 300g |
No.4 | 9〜26点 / 300g |
No.5 | 27〜46点 / 300g |
No.6 | 47〜86点 / 300g |
No.7 | 87〜160点 / 300g |
No.8 | 161〜360点 / 300g |
ブラジルの欠点数を見ると「No.1」がないことにお気づきでしょうか?
ブラジルでは、欠点豆が1つもないということはあり得ないという考えのもと、「No.1」は設けていないということです。
完璧なものはないという考えは当たり前ですが、わざわざグレード表記から外すというのはかっこいい姿勢ですよね!
ブラジルのスクリーンサイズ
グレード表記 | スクリーンサイズ |
---|---|
スクリーンサイズ20(#20) | S20(約7.94mm) |
スクリーンサイズ19(#19) | S19(約7.54mm) |
スクリーンサイズ18(#18) | S18(約7.15mm) |
スクリーンサイズ17(#17) | S17(約6.75mm) |
スクリーンサイズ16(#16) | S16(約6.35mm) |
スクリーンサイズ15(#15) | S15(約5.96mm) |
スクリーンサイズ14(#14) | S14(約6.35mm) |
スクリーンサイズ13(#13) | S13(約5.16mm) |
スクリーンサイズはS20〜S13までが、グレード基準になります。
また、グレード表記は「S20」と記載することもあれば「SC20」や「#20」と表記されることもあります。
ブラジルのカップテスト
グレード表記 | カップテスト |
---|---|
ストリクトリー・ソフト | 不快な味わいはなく、なめらかで甘みが十分にある。 |
ソフト | なめらかで甘みがある。 |
ソフティッシュ | あまり甘みが感じられない。やや甘みがある。 |
ハード | 刺激的な苦味や酸味がある。 |
リオイ | やや不快で刺激的な苦味や酸味がある。薬品臭がする。 |
リオ | 強めの不快で刺激的な苦味や酸味がある。薬品臭がする。 |
カップテストでは、上位の方が口に入れた時になめらかで柔らかい舌触りです。
また、反対に下位に行くほど、味が不快で刺激的な苦味や酸味、薬品臭などが強くなってきます。
薬品臭というのは、リオ臭とも呼ばれるもので、薬品と土臭さが混ざったブラジルコーヒー豆に特有の不快な匂いのことを言います。
ブラジルのグレード分けまとめ
このように、ブラジルでは「欠点数」「スクリーンサイズ」「カップテスト」をそれぞれ個別で行い評価をしています。
ここまでご説明すると、ブラジルのセクションの冒頭で記載した「ブラジル サントス No.2 スクリーン18 ソフト」というのがどういった意味かなんとなくわかるかと思います…。
すなわち、ブラジルのサントス港で出荷された欠点数が4点以下、生豆の大きさはスクリーンサイズ18(約7.15mm)、味わいはなめらかで甘みがあるコーヒー豆ということになります!
グレード表記についての注意点
以下の記事でも記載はしてありますが、こちらでも念の為補足しておきます!
グレードが高い豆であっても、必ずしも美味しいとは限りません。
ここで紹介しているグレード基準については、美味しいという保証ではなく、あくまでも「グレードが低いものよりも高いものの方が、品質が良い、風味が良い、香味が良い」ということです。
味の美味しい、美味しくないに関しては、人それぞれの好みに関わるものなので、是非色々なコーヒーを飲んであなたの好きな味を見つけてみてください。
また、販売業者によっては、稀に「SHG」などの最高グレードの表記が付いていても、品質がそれに見合っていない場合もあると聞いたことがあります…。
そのため、購入する際にはグレードのみを絶対の判断基準にはしないように多少注意しておくと良いかもしれません!
最後に
たくさんの国のグレードを解説してきましたが、これらのすべてのグレード表記とその基準を国ごとに暗記する必要はございません!
ただし、上位グレードのものだけをうっすら覚えておいていただくと、珈琲屋でコーヒー豆を買うときやコーヒーを飲む時に、そこに記載されているメニュー表が読み解けるようになり、コーヒー選びが楽しくなることは間違いありません!
また、グレードがイマイチわからなくなった場合には、当ページに戻っていただくと確認することもできますので、是非活用していただければと思います。
目次にて、お好きな国にジャンプすることもできますので、そちらもご活用ください!
それでは、楽しい珈琲ライフを!